『じんじん』を観てきたよ

あまちゃんのもそろそろ書けよ。2週たまってんぞ、って話なんですけど。
そのうちしれっと日付改ざんして上がるやもえへへ★

ご機嫌いかが?ぴのこです。
さてさて。

『じんじん』を観てきました。

映画『じんじん』予告編 - YouTube

その手にはのるもんか!

もうね...垢にまみれたきったねー大人になっちゃったもんで。
少々の「泣ける映画」なんてぺっ、な訳ですよ。
子どもとかね。動物とかね。不治の病とかね。許されない恋とかね。
「あー泣かせにかかってんなーこれ」って気づくと一気に冷める方。

告白すると、鑑賞前には若干の不安がありました。これも。
大地康雄とかさ。西田敏行と並ぶ二大"善人面"俳優*1じゃないですか。
そこにのどかな田園風景と絵本...って、うあああいやな予感があああ!

結論から言うとね。



泣きました。
ああ、泣いたさ。
でもね。聞いて聞いて!言い訳させて!

こういう芸人*2は、日本中に山ほどいそう。
そして、こういう親子*3も、同じだけいそう。
そういう、どこかにありそうな、地に足がついた感じで、物語がゆっくり展開していくところ。
お涙頂戴でも予定調和なハッピーエンドでもないけれど、すとんと落ちるラスト。

スローシネマを観たのは初めてだけど。
これがそのメリットなんだとしたら...いいぞもっとやれ。

剣淵町?どこそれ

元道民ですら初耳だったので、かなりマイナーな場所...だよね...たぶん
けど観終わった瞬間、思わず剣淵町に飛びたくなるこれ。
「よい旅とは自分のルーツを意識するもの」*4ということがしっかり描ききってあるので、単なる観光映画で終わってはいないんだけど。
それでも、というか。だからこそ、というか。
劇中に出てきたあれやこれ。肉眼で観てきたくなる。

好きなシーンの話をするよ

冒頭の昔話

優れた語り手による口承民話は、落語や一人芝居と何ら遜色が無いのね。
「とっぴんぱらりのぷぅ」まで息詰めて観ちゃったよ、つい。

ただの一人を相手に『ガマの油売り』

とてもとても笑ってくれるとは思えないシチュエーションだけど。
演るんだよねえ...だって、芸人だから。
言いたくても言えない。だけど伝えたい。って想いを、限られた言葉数と時間で表現しようとするの。だって、芸人だから。
初盤で、ちょっとしたアクシデントでお客を取られて、芸がしょんぼりしてしまう後輩芸人が出てくるんだけど。
そこと対にして観てもすごい。圧巻です。

某グッズにニヤッとしたよ

上映後にロビーを探してみたんだけど。
今回はパンフレットの代わりに、劇中でも登場する絵本の販売をしていました。
ちら見したら文;ドリアン助川て!*5

夏のうちに観れたことを感謝したくなるような映画でした。
一部ではすぐバレると思うけど、わたし好みの色転びでもあり

おすすめです。
よかったら、ぜひぜひー

*1:これはdisではない。繰り返す。これはdisではない。

*2:芸は天下一品なんだけど。これで食べていけてるのかとか将来のこととか考え始めると、俄然不安になる人たち。それでも板の上に上がることが大好きでやめられない、いとおしい人たち。  

*3:誰が悪い訳でもないのに、ちょっとしたボタンの掛け違いでこじれちゃう親子関係。誰が悪い訳でもないのに、そのことで自信をなくしたり焦ったりしている親子関係。

*4:≠自分探しの旅。いるべきところはここではなくて、帰るところは別にあるんだということをお腹で理解すること。

*5:叫べ!詩人の会!