映画「立候補」を観てきたよ


映画「立候補」CANDIDATES THE MOVIE TRAILER - YouTube

グレーな人たちの、グレーな言動。面白い。

基本的に「日本国において、人は選挙に立候補するとどんなことをするのか?」って筋に従って進んでいきます。
で、公職選挙法がきちんと噛み砕かれた状態で、随所に登場するのね。
「しなくてはならないこと」「してはいけないこと」がいくつも出てくるけど。
その隙間にいる人たち。???ってなるけど、酷く面白い。

つまり。
「しちゃだめだって書かれてないから」する人。
「しろって書かれてないから」しない人。

隙間の人がことごとく、可笑しい。愛らしい。

これは貴重映像である。なぜならば、

たとえば、マック赤坂が自分の政見放送を観てるときにどんな表情をするのか、とか。
たとえば、彼の息子が父親をどう思ってるのか、とか。
たとえば、外国人からは彼はどう見えるのか、とか。
そもそも、あいりん地区から見て選挙ってなんなの?とか。
気になるでしょ。興味あるでしょ。見てみたいでしょ。
よく、ここまで斬り込んだなー。撮らせてもらえたなー。って思う。すごい。

誰の味方でもない。誰の批判もしていない。

マック赤坂の近くにいることが多いけど。
彼に肩入れしてるかってーと、そうでもない。
突っ込んだり、離れたり。
出てくる人はみんな大真面目だよ。だから
誰が正しい/間違ってるかなんて、あなたが決めればいい。
泣くか笑うかなんて、あなたが決めればいい。

じゃあ、「選挙」を「人生」に置き換えたら...?

パンフレットを買ったら、監督がすげーかっこいいこと言ってたので、以下引用するよ。

この映画は、あなた方の人生に活力を与えられなかったら、意味がないと私は考えている。
この映画をきっかけに、あなた方もやりたかった人生の何かに立候補して欲しい
実際、私もこの映画で人生の立候補ができた、私ができるんだから、あなた方もきっとできる。


藤岡利充;パンフレット監督ノートより

「立候補する」ということは、実は、そこまで大それたことでもない。
供託金をBETして然るべき手続きを取れば、誰だって立候補できる。
「立候補する」ということは、実は、すごいことだ。
罵倒されながら尚も、観衆の中で演説するなんて。
ヤジ飛ばすだけの人よか、よっぽどかっこいい。
それを体現する人をがいっぱい見せつけられるのよね、この映画。

あとねえあとねえ。
主題曲の歌詞でも、ソリッドで酷くかっこいいこと言ってたから引用するよ。

負ケルトワカッテ、ナゼ戦ウ。

敗北を知る事が無駄であると誰が決めた?
泡だ幻だとだれが笑う?
あんただろ
踏み越える高き山々は鎮座
踏み出す一歩を待っている
さぁ、いまこそ踏み出そう
大いなるフロンティアの旅へ


映画「立候補」主題曲 『街灯り』より

勝ちか負けかなんて、誰が決めるの。
さて。
わたしもそろそろ「あれ」に立候補してみるか。